30年前、東京にアメリカ製救急車がいた頃。

第三分団ブログ担当です。こちらは1999年の写真です。

撮影場所は「晴海フラッグ」が建つ遥か前の晴海埠頭。

右端に見えるのは浜松町の旧貿易センタービルで

東京タワーは救急車の背後に隠れています。

この救急車は米国フォード製のE-350ウィールドコーチ高規格救急車と言います。

こんなハリウッド映画や海外ドラマに出てくるような救急車が

東京の一部地域で走り回っていた時期がありました。

当時から更に遡る1993年に救急救命士法が制度化され、

車内で各種医療行為ができる「高規格救急車」が必要となり

内外の自動車メーカーから続々と導入される状況になりました。

そのような中、この救急車も販売競争に参入し

東京のほか、京都、名古屋、大垣などの地域で導入されました。

東京消防庁は京橋消防署、麴町消防署永田町出張所、深川消防署

レインボータウン出張所(現:有明分署)に計3台が配置され、

1990年後半から2000年代前半にかけての時期に東京の街を走り回りました。

今では不思議にも思えるこの救急車は当時の救急制度と日本と世界をめぐる経済状況などが

重なり合った時代の落とし子とも言えるでしょう。

今現在都内を走る救急車は約270台です。限りある貴重な医療資源であります。

救急車の適切な利用にご理解とご協力をお願いいたします。