炎と濃煙を体感 消防学校で実践的消火訓練

9月期の消防職員と連携した実践的訓練が9月12日、実施されました。今年度から始まったこの訓練は、これまで京橋消防署で開催されてきましたが、今回は初めて東京消防庁消防学校(渋谷区)で行われました。
消防学校は大正3年に設置され、100年を超える歴史があります。都内で勤務する消防職員はこの学校で教育を受け、消防職員として働くうえで必要な知識や技術を学びます。さらに、幹部教育や専門的な技術を身につける専科教育などを担うほか、所轄消防署と連携し、消防団員への教育支援も実施しています。
この日の訓練には、京橋消防団から17人が参加しました。消防学校内の訓練施設で模擬消火訓練装置(AFT)を使い、火災現場を再現した状況下で消火要領を学びました。
消防学校では約30年前からAFTを導入し、現在は5基が稼働しています。AFTの導入は国内でも数か所に限られ、都内では消防学校が唯一です。この装置で火炎や煙を発生させ、熱気や危険性を体感しながら消火にあたることで、実際の火災現場に対応する力を養います。
AFTは主訓練棟と濃煙熱気棟に設置されています。今回、消防団の訓練は濃煙熱気棟の台所を模した1階部分で行われました。
団員たちは通常の訓練で着用する活動服の上に防火服を身につけ、訓練に臨みます。AFTで台所火災が再現されると、炎はあっという間に天井に広がり、煙の中を炎が走る「ロールオーバー現象」が発生。天井付近の温度は600度に達しました。
こうした過酷な状況の中、可搬ポンプにホースをつなぎ、2人1組で消火活動にあたりました。
炎の熱気はすさまじく、放水してもなかなか火の勢いがおさまらない場面もありました。それでも参加した団員たちは落ち着いて放水する場所を探りながら、着実に消火を進めました。
顔を完全に覆った状態で活動するため、筒先側の団員の声が後方に伝わりにくく、互いの動きを見ながらタイミングを合わせるなど、普段以上に連携が求められます。
全員がAFTを活用した消火訓練を終えた後は、濃煙熱気棟の地下施設に入りました。
ここには、火災や有害物質の散布などを想定して実際の地下鉄車両を設置した訓練設備や、濃煙を発生させて救助活動を行う設備などがあります。
訓練では実際に濃煙を発生させていただきました。煙が広がると、あっという間に30センチ先さえ見えない状態に。実際にその中に立つと強い恐怖を感じるとともに、こうした状況下で救助活動にあたる消防職員の皆さんへの尊敬と感謝の気持ちをあらためて抱きました。
消防学校の職員の方々から、消火にあたる際の心構えやコツについて実践的な説明を受けながら、非常に貴重な経験をすることができました。
今回の経験を「いざ」というときに焦らず、的確に行動することにつなげていきたいと思います。同時に、地域の安全を守る消防団員としての心構えを、あらためて胸に刻んだ一日となりました。

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