消防団活動における『危険予知』と『緊張感』
ごきげんよう
私は現在、コンサルタントとして企業や組織の課題解決に携わる一方で、消防団員として地域の安全を守る活動にも従事しています。全国の消防団の皆様が日々献身的に活動を行い、地域社会の安全を守るために尽力されていることには、深い敬意を抱いております。日頃から適切に活動されていることは十分承知しておりますが、さらに安全性を高め、効率的な活動を目指すために、「危険予知」と「緊張感」の重要性について改めて考える機会を持つことは意義深いと感じています。
消防団の活動は、緊急事態において迅速かつ的確な判断が求められるため、日々の訓練や準備の段階から高い緊張感を持つことが不可欠です。仲間との連携を深めることは重要ですが、馴れ合いによる油断や確認不足が重大なミスにつながる可能性があることを忘れてはなりません。
馴れ合いがもたらすリスク
消防団は地域住民が主体となる組織であるため、活動の中で自然と仲間意識が生まれます。それ自体は素晴らしいことですが、「お友達感覚」での行動が緊張感を欠いた判断や連携ミスを引き起こす可能性があることを痛感する場面があります。
例えば、私自身が消防団員として経験した事例では、以下のような状況がありました:
- 確認不足による装備ミス:活動開始時に装備の準備が不十分だったことに気づき、対応に時間がかかった。
- 曖昧な伝達による混乱:現場での指示が曖昧だったため、役割分担が一時的に混乱した。
こうしたリスクを避けるためには、日常の訓練や活動の中で、あえて「緊張感」を持ち続ける姿勢が必要です。
コンサルタントとしての視点からのご提案
コンサルタントとしての経験を活かし、消防団活動の安全性と効率性を向上させるための具体的な改善策をご提案します。
1. 明確なコミュニケーションルールの設定
- 指示や報告は、簡潔かつ具体的な言葉で行う。
- 「伝えたつもり」「聞いたつもり」を防ぐために、復唱や確認を徹底する。
- 「報・連・相(報告・連絡・相談)」を徹底し、情報の共有を円滑に行う。
2. 定期的なリスクアセスメントの実施
- 訓練や活動後に振り返りを行い、潜在的なリスクを洗い出す。
- 小さなミスでも共有し、改善策を検討する。
- リスクを「見える化」することで、全員が認識できる状態を作る。
3. 役割と責任の明確化
- 各団員の役割を明確にし、誰が何をするべきかをはっきりさせる。
- 役割分担を定期的に見直し、状況に応じた柔軟な対応を可能にする。
- 「責任の所在」を明確にすることで、誰がどの部分を担うかを把握する。
4. 緊張感を維持する訓練の導入
- 実際の災害を想定したシミュレーション訓練を定期的に実施。
- 訓練中に意図的にトラブルを発生させ、対応力を鍛える。
- 訓練において「失敗を許容する環境」を作り、学びを深める。
5. チームビルディングとプロ意識の育成
- 仲間意識を大切にしながらも、プロフェッショナルとしての意識を持つよう促す。
- 勤務外でも安全に関する情報を共有し合う文化を作る。
- モチベーションを高めるために、活動の成果を定期的に振り返り、全員で共有する。
まとめ
消防団活動において、危険予知を回避するためには、意思疎通の徹底と緊張感の維持が不可欠です。「わかっているはず」「教えているはず」といった思い込みを排除し、確認を怠らない姿勢を日常の活動に根付かせることが、地域の安全を守る第一歩となります。
これによりさらに安全性を高め、効率的な活動を目指すために、明確なルール設定やリスクアセスメント、役割分担の見直しなど、具体的な改善策を取り入れることで、より安全で効率的な活動が可能になると確信しています。
消防団員としての実体験を通じて、これらの課題に向き合いながら改善を続けています。消防団の皆様が、常にプロ意識を持ち、緊張感を維持しながら活動することで、地域の安心と安全を守る力がさらに強化されることを心より願うとともに私も常に自身の行動を振り返り、日々研鑽を積み重ねて参る所存でございます。
ごきげんよう
#街の笑顔を守りたい
文責:京橋消防団広報編集委員
団本部
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