その時、消防団員に何ができるのか 実践的救出訓練で学ぶ

令和8年度から京橋消防署では、管轄区域内の消防団員を対象にした「消防職員と連携した実践的訓練」を月1回開催しています。災害発生時に消防団員が現場で機動的に対応する力を高めることが目的です。毎月テーマを定め、京橋消防署職員が講師となり、同署内で実技を交えながら具体的な対処法を学んでいます。

6月期の訓練は「倒壊したブロック塀等からの救出訓練」をテーマに、20日に実施されました。この日は各分団から28人が参加。物干しざおや金属パイプ、手動式油圧カッターなどさまざまな資機材を活用し、約100キロの重さの木製棚の下に挟まれた等身大人形の救出に取り組みました。

4人一組で行われた訓練は、てこの原理を利用した救出方法から始まりました。全体を見渡して指示を出す指揮役のもと、要救助者に寄り添い「大丈夫ですか。今助けますから」と声をかける人、近くにある短管を使って棚を持ち上げる人、木材を活用して支点をつくる人など、それぞれが役割を分担。素早く空間を確保し、人形を助け出しました。てこの原理を活用すると、一人でも重い棚を動かせることがわかり、参加した団員たちも熱心に見守っていました。

一方、実際の災害現場では適した道具がすぐに見つかるとは限らず、作業空間が十分に確保できない場合もあります。消防署職員からは「場合によっては複数人で持ち上げることも検討するなど、状況に応じて最も安全で効果的な方法を判断することが大切」とのアドバイスがありました。

その後は、ジャッキや手動式油圧カッターを使った救出訓練を実施。使用手順を確認するとともに、まず要救助者の保護を徹底することの重要性を学びました。

実技終了後には、阪神・淡路大震災で発生した「クラッシュ症候群」についての説明もありました。これは、がれきなどの重い物の下敷きになった人が救出された後、急激に容体が悪化する症状です。そうした事例を前に、消防団員として何ができるのかを改めて考えさせられました。要救助者の早期発見と迅速な対応、そして消防隊や医療機関との連携の重要性を学ぶ機会となりました。災害時に迅速かつ適切に対応するためには、日頃から知識と技術を身につけておくことが欠かせないと感じました。こうした実践的な訓練と貴重な知識を伝えていただいた京橋消防署の皆さまに感謝します。

訓練のハイライト動画です。