仲間を支える確かな力 選手たちの横顔③
8月25日夜も、東京都消防操法大会に向けた訓練が八重洲地区の路上で行われました。この日は第5、第6分団を中心に多くの支援隊員が参加し、選手たちをサポートしました。

連続してお伝えしている選手の横顔。今回は、吸管やトビ口を扱う3番員と、小型ポンプの機関操作を担う4番員をご紹介します。
3番員は、チーム唯一の女性団員・鈴木杏実(あみ)さんです。鈴木さんは35歳。ホテルのフロント係として勤務するかたわら、選手として訓練を続けています。夜勤もあるシフト制の職場に加え、インバウンド客の増加で多忙な日々が続きます。しかし、都大会に向けて昼のシフトにするなど、職場の仲間たちが協力してくれていることが支えになっているそうです。

しっかりした体幹による安定した、美しい動きが特徴の鈴木さん。学生時代はバスケットボールやテニスをしていましたが、社会人になってからは特に運動をしていませんでした。今回、都大会の選手に選ばれたことを機に、ジムに通い始めました。
鈴木さんは第4分団の班長を務めます。同じ職場に勤務する第4分団の分団長に誘われ、8年ほど前に入団。第4分団では1番員、2番員を務めましたが、3番員を担うのは今回が初めてです。「動きが少ない分、正確さを見られている。どの場面も気が抜けない」と話します。第3分団を中心とした今回のチームについては、「レベルが高く、最初はオリンピック選手の中に素人がまぎれこんだようで焦りました」と振り返ります。
一方で、性別や年齢に関係なく、チームの一員として時に厳しく接するメンバーたちには、「特別扱いはせず、みなで技術を磨き、チームを良くしていこうという強い思いを感じる」と厚い信頼を寄せています。訓練の合間には、気付いたことをノートにメモし続ける鈴木さん。その姿からは、先輩たちにくらいついていこうという気合がにじみます。

続いて紹介するのは、4番員の石川弘行さん(53)です。4番員は小型ポンプの後方に立つため、競技の華である放水を離れた場所から見守ります。そのため、競技では目立つ存在ではありません。しかし、「4番員が失敗してしまうと、そもそも放水ができない。実は競技の要となる存在」(2番員の亀岡正博さん)なのだといいます。
責任重大な役割ですが、離れた場所から冷静沈着に全体を見守り、わずかな異変も見逃さない石川さんに、チームは絶大な信頼を寄せています。石川さんは消防団に入団して23年目。第3分団の副分団長を務めます。都大会への出場は今回が5回目で、1番員を2回、4番員としては3回目の出場です。放水を先頭で担う1番員を経験しているからこそ、操作の間合いは絶妙。「メンバー全員の動きを見逃さず把握し、水を出すタイミングを判断している」といいます。



そんな石川さんは、チームをこう見ています。「仲の良さが持ち味。全員が信頼し合っているので、言いたいことを言い合える」。そして今回新たにチームに加わった3番員の鈴木さんについても、「運動能力の高さに驚いた。そして仕事で培ったコミュニケーション能力がすごい。チームの戦力として欠かせない存在」と頼りにしているそうです。

この日の訓練では、足の角度や指の伸ばし方など、細部にいたるまで一つ一つの動作を確認。全力疾走で放水作業にあたるなど、熱の入った時間となりました。多くの支援メンバーも参加し、訓練を下支えしました。2番員の亀岡さんは「支援のために多くの団員が集まってくれたことに感謝でいっぱい。選手のやる気にもつながっている」と話していました。

八重洲地区の路上での訓練は今後も続きます。通行などにご不便をおかけすることもあるかもしれません。安全を守るため、支援メンバー一同、細心の注意を払っていきますので、今後も温かく見守っていただければ幸いです。

訓練のハイライト動画です↓

